「まだ大丈夫。まだ大丈夫」
そう自分に言い聞かせているうちに、リボ払いが100万円まで膨らんでいました。
明細は、見ていたんです。
でも「毎月ちゃんと払えてるから」と、”残高の総額”と、その意味からは目をそらしていました。
桁が変わって「100万」という数字を見たその瞬間、私は「あ……」と、頭の中がグルグルしたのを今でも覚えています。
これは、そんな私が債務整理という手段は使わずに、時間をかけて自力でリボ払いを完済するまでの話です。
「自分はお金にだらしない」
「今さら遅い」
そう思って、誰にも言えずにこの記事に辿り着いた人へ。
私が実際に何を感じ、何から始めたのか。
同じ場所に立っていた人間として、お話しします。
※私は法律や家計の専門家ではありません。この記事は私の体験と、公的機関が公開している一般的な情報をまとめたものです。数字や制度は変わることがあるので、最終的な判断は本文でご案内する公的な窓口や専門家に確認してくださいね。
明細を開いた、あの日のこと
明細は見ていたんです。
見ていたのに、「まだ大丈夫」と、どこかで”総額”から目をそらしていました。
毎月ちゃんと引き落とされている。
だから問題ない。
そう思い込むのは、意外と簡単でした。
見ていたのは「毎月の支払額」だけ。
“残高が今いくらまで膨らんでいるのか“を、私は直視していませんでした。
でも、その残高の桁が変わって「100万」になったとき。
さすがに、言い訳ができなくなりました。
「あ……」
体より先に、頭の中がグルグルしました。
これはヤバい、と。
そして次に来たのは、恐怖でも焦りでもなく、恥ずかしさでした。
それなりの年齢になって、お金の管理ひとつできていない。
だらしない自分が、情けなくて、嫌でたまらなかった。
もし今、あなたが同じように「あ……」となっているなら。
その恥ずかしさも、グルグルする感じも、私はよく知っています。
まずは、ここまで読めた自分を、責めないであげてください。
なぜ、こんなに膨らんだのか
正直に言うと、当時の私はリボ払いの仕組みを「なんとなく」しか分かっていませんでした。
そして、そもそもの原因は私のお金の使い方にあったんです。
・欲しいものはすぐ買ってしまう
・外食が多く、毎日のように飲みに行っていた
・足りなくなると、キャッシングに手を伸ばす
こうして、毎月の支払いがきつくなり、「リボにするしかない」と思い込んでいました。
リボ払いは手数料(利息)が高い、そんな話は聞いたことがあります。
でも、本当に分かっていなかったのは、リボを使い続ける限り、残高がなかなか減らず、ときには増えてしまうことでした。
気づけば、リボの残高は100万円。
それでも当時の私は、生活が苦しかったこともあり、リボ払いをやめられませんでした。
だから元金はほとんど減らず、新しく使った分が上乗せされて、残高はまだ増えていた時期だったんです。
毎月きちんと支払っているのに、減るどころか増えていく。
その現実に気づいたとき、私はようやく愕然としました。
「これ、このままだと、あと何年かかるの……?」
そのとき初めて、「毎月払えているから大丈夫」ではなく、「終わりが見えない借金になっていたんだ」と実感したのです。
リボ払いで元金が減りにくい理由(一般的な仕組み)
リボ払いは、毎月の支払額を一定にできる代わりに、残高に対して手数料(利息)がかかり続ける支払い方法です。
一般に、リボ払いの手数料はおおむね年15〜18%程度とされます(カード会社や契約によって異なります)。
毎月の支払額のうち、けっこうな部分が手数料に回るため、元金がなかなか減りません。
さらに、私のように使い続けていれば、残高そのものが増えていきます。
残高が大きいほど、この傾向は強くなります。
手数料の正確な率や、あなたの残高だと何年かかるのかは、利用中のカード会社の公式サイトや返済シミュレーションで必ず確認してください。カードによって条件が違います。
私が「何年かかるの?」と青ざめたのは、まさにこの構造に、遅れて気づいたからでした。

リボ払いが「地獄」と呼ばれる、5つの理由
私が身をもって思い知ったのは、リボ払いには”抜け出しにくくなる仕掛け”がいくつも重なっている、ということでした。
よく言われるのは、次の5つです。
1:元金がなかなか減らない
毎月の支払いの多くが手数料に回るため、元金が思うように減りません。
2:手数料がふくらみやすい
残高が大きいほど、長く使うほど、手数料の総額は増えていきます。
3:終わりが見えにくい
毎月一定額だと「いつ完済できるのか」が実感しづらく、ゴールが見えません。
4:使いすぎの原因になりやすい
「毎月の負担が軽い」と感じるぶん、つい利用が増えてしまいます。
5:金利が高め
手数料は一般におおむね年15〜18%程度。
こうして「毎月払っているのに、減らない・終わらない」という状態に陥りやすいんです。
まず、こわくても「残高の総額」を見た
立て直しのために私が最初にやったのは、派手なことではありません。
こわくても、残高の総額を、ちゃんと直視すること。
ただそれだけでした。
さっき書いたとおり、私は毎月の明細は見ていました。
でも「残高が今いくらで、このままだと何年かかるのか」からは、ずっと目をそらしていたんです。
リボ払いが膨らんでいくとき、多くの人がこの「総額を直視すること」を、こわくて後回しにします。
私も、まさにそうでした。
でも、国民生活センターも繰り返し注意を呼びかけているように、まずは利用明細を確認して「今どうなっているか」を正しく把握することが、最初の一歩になります。
「知らないうちにリボ払いになっていた」というケースもあります。設定を確認し、明細をこまめにチェックすることの大切さは、国民生活センターも案内しています。
見るのは、こわい。
でも、見ないと何も始まらなかった。
数字の”総額”から目をそらすのをやめた日が、私にとっての本当のスタートでした。
誰にも、言えなかった
この100万円のこと、私は長いあいだ誰にも言えませんでした。
理由は、はっきりしています。
やっぱり一番は「恥ずかしい」だった。
いい大人が、お金の管理ができていない。
それを人に知られるのが、情けなくて、怖かった。
でも、ひとりで抱え込まなくて、いいんです。
私は結果的に自力で返しましたが、それは「相談してはいけない」という意味ではまったくありません。
もし、相談できる家族がいるなら
もし信頼できる家族に打ち明けられるなら、家族に立て替えてもらって、カードには一括で返すという方法もあります。
そして、家族に返済していく。
そうすると、リボの高い手数料がかからなくなる分、返済がぐっと早く進みます。
もちろん、家族に言うのはとても勇気がいりますし、お金の貸し借りは関係にも関わります。
無理のない範囲で、という前提つきですが、「ひとりで手数料を払い続ける」以外の道もある、と知っておいてください。
無料で相談できる公的な窓口
「家族には言えない」という人も、大丈夫です。
お金の借入や返済の悩みは、無料で相談できる公的な窓口があります。
言いにくいことを、匿名で・お金をかけずに相談できる場所です。
・消費者ホットライン「188(いやや)」
お金や契約の困りごとの相談窓口につないでくれます(消費者庁)
・金融庁「多重債務についての相談窓口」
返済が苦しいときの公的な相談先の案内です
・日本クレジットカウンセリング協会(公益財団法人JCCO)
多重債務の無料相談・カウンセリングを行う公益法人。
「多重債務ほっとライン(0570-031640)」があります
恥ずかしさで動けなくなる前に、こういう場所があると知っているだけでも、少し楽になります。
私は、自力で向き合うと決めた
私の場合は、いろいろ調べたうえで、債務整理は使わずに自分で返すことを選びました。
念のため書いておくと、これは「自力がえらい」という話では、まったくありません。
たまたま私の状況が、そうできる範囲だっただけです。
調べてみると、私の金額は債務整理をするほどではなさそうでしたし、給料はそれなりにあった。
だから、リボが膨らんだ原因の生活を改めて、これ以上増やさなければ、時間はかかっても返せる。
そう判断しました。
それに、調べるなかで、債務整理には知っておきたい注意点もあると分かりました。
たとえば、信用情報に一定期間その記録が載り、その間は新しくクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりがしづらくなること。(詳しいことは手続きの種類やケースで違うので、専門家や法テラスで確認してくださいね)
私の場合は、金額的にも収入的にも「自力でいけそう」だったので、その方法を選びました。
これは「債務整理はよくない」という意味では、まったくありません。
デメリットを補って余りある助けになる人も、たくさんいます。
私はたまたま自力で返せる範囲だっただけ。
もしあなたにとって債務整理が最善の道なら、それを選ぶことは、恥ずかしいことでも間違いでもありません。
金額や収入の状況は人それぞれなので、ここは「私はこうした」という一例として読んでくださいね。
私がたどった、立て直しの流れ
やったことは、この順番でした。
・明細を確認する
こわくても、残高の総額を直視する
・なぜ増えたのか、原因を洗い出す
私の場合は「衝動買い・飲み代・キャッシング」
・原因を、一つずつ止める
①衝動買いをやめる
②外食を減らす
③新しく借りない
・貯蓄を増やす
リボを増やさない生活が続くと、少しずつお金が残り始める
・完済する
貯まったお金で、最後は一括返済

私が原因を止めるためにやった、4つのこと
背伸びした節約ではなく、リボが膨らんだ原因そのものを止めることから始めました。
1:「欲しい」をすぐ買わない
本当に欲しいか、よく考えてから買うようにした
2:飲みに行く回数を減らす
そのぶん自炊をがんばった
3:キャッシングを、きっぱりやめた
新しく借りるのを止めないと、穴は塞がらないから
4:家計管理の情報を読み漁った
雑誌やSNSで見つけた方法を、なんでも試してみた
派手さはありません。
でも「増やさない」と決めて、原因をひとつずつ止めたことが、あとから効いてきました。
それでも苦しい人へ――道は、ひとつじゃない
ここまで「自力で返した」話をしてきましたが、大事なことを最後に。
もし今、自力では厳しいと感じているなら、それは決してダメなことではありません。
借金の返済がどうしても難しいとき、債務整理という、法律にもとづいた立て直しの方法があります。
おおまかに、次のような種類があります。
・任意整理
将来利息のカットなどを、専門家を通じて交渉する方法
・個人再生
裁判所を通じて借金を大きく減らす方法
・自己破産
返済を免除してもらう方法
・特定調停
簡易裁判所を介して和解する方法
「自己破産」と聞くと、身構えてしまうけれど
自己破産と聞くと、「人生が終わる」「すべてを失う」、そんなイメージを持つ人が多いと思います。
私も、そうでした。
でも、身近な家族に、自己破産を経て生活を立て直した人がいます。
その姿から私が感じたのは、それは”終わり”ではなく、生活を立て直すための現実的な手段の一つなんだ、ということ。
日常が丸ごと壊れてしまうわけではないんだ、と感じました。
もちろん、手続きの内容や、何がどこまで制限されるのかは、人によって・ケースによって違います。
ここは私が正確に語れる範囲ではないので、詳しいことは必ず専門の窓口(法テラスなど)で確認してください。
私が伝えたいのは、ひとつだけ。
「自己破産=人生の終わり」ではない、ということです。
そして、どの方法が合うかは、借入額・収入・家族の状況などによって本当に人それぞれです。
これは「地図」であって、「あなたはこれ」という診断ではありません。
だからこそ、迷ったら専門の窓口に相談してほしいんです。
法テラス(日本司法支援センター)
国が設立した機関で、経済的に余裕がない人向けの無料法律相談や、費用の立替制度があります
「もう無理かもしれない」と思ったときほど、ひとりで決めないでください。
道は、思っているより、いくつもあります。
おわりに――やり直せる、と今なら言える
数年かけて、私はリボ払いを完済しました。
減り方は、本当にちょっとずつ。
でも、生活を改めたおかげで「増えることはなかった」。
やがて、家計管理をがんばるうちに少しずつ貯金が貯まって、最後は一括で返しました。
この「お金が貯まっていく感覚」こそ、次のステップ(家計を”守る”)の入口でした。

完済できたときの気持ちは、今でも覚えています。
めちゃくちゃスッキリして、目の前が晴れやかでした。
あの頃の自分を振り返ると、お金のことを知らないまま、「なんとかなる」と思っていたなと感じます。
それでも自分を責める気には、もうなれません。
だって、数年かけて返すうちに、いつのまにか家計管理そのものが面白くなっていたから。
今はもう、キャッシングもリボ払いも、する気がありません。
あの日「あ……」となった私に、もし一言かけられるなら。
「大丈夫。ちゃんと戻れるよ」と伝えたいです。
今、同じ場所にいるあなたにも、同じ言葉を。
マイナスからでも、ちゃんと戻れます。
まずは、こわくても残高を見るところから。
そして、ひとりで抱えそうになったら、相談できる窓口があるということを思い出してください。
よくある質問(FAQ)
参考・出典(公的機関等)
- 国民生活センター「意図せぬリボ払い・利用明細は必ず確認」 https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen427.html
- 国民生活センター「知らぬ間にリボ払いになっていた」 https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2017_19.html
- 消費者庁「消費者ホットライン188」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」 https://www.fsa.go.jp/soudan/
- 日本クレジットカウンセリング協会(JCCO) https://www.jcco.or.jp/
- 法テラス(日本司法支援センター) https://www.houterasu.or.jp/
- リボ手数料の実質年率(15〜18%)の目安:楽天カード15.0%・JCB15.0%・PayPayカード18.0%等の各社公式に準拠

